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イメージ力を鍛えると国語の偏差値は飛躍的に上がる!

第1回 入門篇

山本講師(鉄人会専任スーパープロ家庭教師)

 

 従来、国語の読解力を身につけるためには「とにかく本を毎日読むことだ。」とか「長文問題をたくさん解いて慣れることだ。」などが一般的にとられてきた方法でした。ただ、難点としてまずは一定の効果があらわれるまでに時間がかかることがあげられます。さらに、国語という科目の性質上解き方があいまいになりがちで明確な解決法がなかなか見えにくい面もあります。逆に言えば、国語の場合は一度実力がつけば力が落ちていくことはあまりないと言えます。他の科目以上に実力は維持されやすいのです。そこで、本講座では今までになかった「短期間で読解力が身につく明確な解決法」を示してゆきます。

 さて、中学入試の国語では、おもに3つの能力が求められています。

1、速読速解力...短時間で素早く長文を読みこなし、内容を細部に至るまで 正確につかみとる能力。
2、パターン識別力...適切な解答をする上で不可欠なパターン(公式)を見抜く能力。
3、文章表現力...記述問題において、出題者の意図に沿った文章を構成し、読みやすくて正しい文章を作成できる能力。

 ただし上記の能力の基盤をなし、読解力の命ともいえるのがイメージ力です。国語は活字の科目であり、活字を見てイメージが浮かばなければ、その時点で読解はストップしてしまいます。つまり、読解力は活字を見ていかに素早く明確にイメージを浮かべられるかにかかっており、このイメージ力を鍛えれば、誰でも短期間で国語の成績を上げることができるのです。

 次に、いくつかの質問を用意しましたが読解に関するあなたの能力タイプが判明しますので是非取り組んでみて下さい。各設問ごとに「はい」、「いいえ」、「わからない」のうち該当するものを選んで下さい。そして、各回答末尾の〈 〉欄の数字を合計していって下さい。(たとえば、設問?「本を毎日読んでいる」に対して「はい」の場合は5点、「いいえ」の場合は1点、「どちらでもない」の場合は3点となります。)
全18問の合計得点が、現時点でのあなたの能力得点となります。あまり深く考え込まずに、直観的に答えていきましょう。

・本を毎日読んでいる はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・本のジャンルにこだわらない はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・心の中で声を出して読んでいる はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・新聞に毎日目を通す はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・新聞は番組欄やスポーツ欄をよく見る はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・マンガやアニメが好きだ はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・TV、映画より小説の世界が好きだ はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・会話のとき相手の話し方より服装が気になる はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・昔の友人の声や会話がすぐ浮かんでくる はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・路上では人より物を見ていることが多い はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・漢字で書ける言葉もひらがなで書くことが多い はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・読むときは一字一句をじっくりと見る はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・相手を納得させるために例え話をよく使う はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・言葉をかわさなくても相手の気持ちがわかることが多い はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・『象徴』という言葉から5個以上のイメージがすぐ浮かぶ はい<5> いいえ<1> どちらでもない<3>
・自主的に日記をつけたことがある はい<5> いいえ<5> どちらでもない<3>
・「1+1=2」であり、どうしてなのかは重要ではない はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>
・会話では相手の心理よりも言葉自体が大切だ はい<1> いいえ<5> どちらでもない<3>

 Aタイプ(85点以上)...あなたは、既に人並み以上の読解能力を身につけています。
物事の本質を見極め、抽象的なものも噛み砕いて具体化できる思考の柔軟性を持っています。したがって本講座を最後まで受けられることによって、最高レベルの領域まで達することでしょう。

 Bタイプ(50点以上84点以下)...あなたの読解力は現時点では平均レベルと思われます。ただし、潜在能力に関しては優れたものを持っており、本講座に前向きな気持ちで取り組むことにより上級レベルに達することは確実でしょう。

 Cタイプ(49点以下)...残念ながら、現時点ではあまり国語の読解に向いているとは言いがたいですが、あくまで今までの習慣の蓄積の結果であり、本講座をきっかけとして新たな考え方に気づくことにより飛躍的に読解力を伸ばすチャンスは十分にあります。

 では、ここでイメージトレーニングの練習をしてみましょう。

 まず、次の文章をよく読んでください。
『定住社会のなかに生きていると、ひとはしばしば拘束を逃れて一人でふとどこか遠いところへ行ってしまいたくなるものである。』

 全部で56文字からなるこの文章を見て、あなたの頭の中には何が思い描かれているでしょうか?実際に一人旅の経験があったり、なくても日常生活から逃れて自由な一人旅を夢見ている人にとってはまさに目の前でリアルな映像が展開されていることでしょう。
「何も浮かばない」という人もいるかもしれませんが、実は意識されていないだけで、必ず何らかの絵あるいは映像が浮かんでいるはずです。
100人の人がいれば100種類の映像がそれぞれのスクリーン上に展開されているはずです。(ただし、56文字すべての意味が全くわからない場合は別ですが...。)

 では、次のステップにしたがってイメージを浮かべてみましょう。

?上の文章の真ん中あたり、文字で言えば「ひと」の当たりに軽く視線を合わせて下さい。

?目の前に映画館の巨大なスクリーンがあり、あなたが観客としてこれから始まる上映を心待ちにしている姿をありありと思い浮かべてみて下さい。

?さて、いよいよ上映の開始です。スクリーンいっぱいに映像が文章の順番に出てきています。

 〈定住社会の中に生きていると…〉
⇒緩やかなはずの上り坂が今朝はやけに急に感じられ、本来なら感嘆してもいいはずの真っ青な秋晴れの空と程よく色づいた紅葉との見事なコントラストですら疎ましく感じられる。ハア、ハア、ハア。腕時計を見る。針の動きがやたらと速い。あ、ヤバイ。朝起きてから格闘してきた8時3分の壁。もう、2分しかない。鎧のような自分の体を無理やり引っ張り出して駆け始める...。ガタンゴトン、ガタンゴトン、サァー。何事もなかったかのように、いつもの急行が滑って来る。なぜかお決まりの12号車。自分の意思と無関係に押し込まれる。ワカッタ、ワカッタ、アセルナヨ。いつもの抵抗も空しく、気が付けばいつもの定位置。今日もこの吊り革か、ご苦労さん。

 〈ひとはしばしば拘束を逃れて…〉
⇒ジリリリリィィ....。終業ベルだ。しかも今日は金曜日。ここ5日間待ちに待ち焦がれていた。この一瞬のためだけに全精力をつぎ込んできた。怒鳴られても、理不尽なことで悪口を言われても、耐えられた。笑顔でいられた。それも全てこの瞬間が存在するから。
ジリリリリィィ....。この甘美な音色はいつ聞いても、どんな名曲より味わい深い...。
自動ドアを出る。まるで、一躍ヒーローになったような気分。自分を取り巻く闇も昨日までとはまるで違う。いつもは騒々しいとしか思えなかった街の喧騒もまるで楽しい祝いのリズムに聞こえる。

 〈一人でふとどこか遠いところへ行ってしまいたくなるものである。〉
⇒今は土曜日の昼下がり。車窓から広がる緑、また緑...。まるで異国の地に来たかのように外の光景に吸い寄せられる。右手の箸も宙に浮かんだまま。膝の上の小さな箱の中で彩り鮮やかな特産品が賑わっている。ふと車内に目をやると、とれたての野菜をいっぱい抱えたお年寄り達が談笑している。ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。決して速くはないが、揺れ具合が妙に心地良い。時々入ってくる日の光も暖かくて柔らかだ。急に眠気が襲ってくる。何も心配することはない。ここは遠く離れた土地。時間もたっぷりある。どっぷりと浸ってやるぞ、この世界に。

 ・以上の映像も終了し、スクリーンにも幕が引かれました。あなたが脚本、監督、主演した映像は上記のイメージとは全く異なっていたかもしれません。当然、10人いれば10人の世界があり、10人の映像があるはずです。ここで重要なのは、より現実に近いリアルなイメージでは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった5つの感覚が如何なく発揮されているということです。

 一連のトレーニングにより、通常の読書と比べて格段に文章が読める、いやそれを通り越して文章の世界に引きずり込まれているはずです。ただし、国語の実力を身につけるのにこれだけでは十分と言えません。不可欠なのはスピードです。つまり、必ず制限時間が設けられている以上、処理能力が速ければ速いほど得点力がアップするのは自明の事実です。スクリーン映像を例にとれば、ちょうど早送り式に次から次へとテンポ良く場面が移り変わっている状態だといえます。では、スピードを身につけるためにはどうすればよいのでしょうか?答えは簡単で「常に時間を計りながら」読み、時間をメモに記録してゆくことです。もちろん、時間が1分でも1秒でも短縮されるようスピード意識をもつことは言うまでもありません。

 最後に、読解力を向上させるために必要なことを下記のとおり【読解力の木】にたとえて整理しましたので参考にして下さい。

 ・イメージ力 = 土・水・光 にあたります。木(読解力)がすくすく成長して行くためには土の養分や水・日光が不可欠であり、常に適切な量が必要となります。もし、これらが不足してしまえば成長が止まるだけでなく、あっという間に枯れ果ててしまいます。

 ・速読速解力 = 幹 にあたります。短時間で素早く長文を読みこなし、内容を細部に至るまで正確につかみとる能力はまさに読解力の根幹をなす能力といえます。

 ・パターン識別力 = 枝 にあたります。国語の問題は書き抜き、選択式、指示語などの設問形式により解法テクニックが異なります。ここで重要なのは適切な解答をするための公式を見抜く力です。

 ・文章表現力 = 葉 にあたります。国語の問題の中でも最上位レベルに位置するのが記述式問題です。ここで問われるのは出題者の意図に沿った正確な文章を作成する能力です。

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