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目から鱗の社会科のツボ!
〜リアルタイム時事問題つき〜

第9回

藤木講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)

 今回は2007年度の入学試験を直前に控え、記述式問題を解く際の注意を述べてみたいと思います。海城中学で出題された過去問を研究材料にしたいと思います。

 平成17年度の問題なのですが、2つの図が示されています。1つは地図で、東京都の皇居周辺の図です。2つの地域が○で囲まれ、それぞれA・Bと記号がつけられています。そしてA地域をよく見ると「日比谷公園」のすぐ近くに「財務省」「法務省」「労働省」など計8つの省庁の建物があることがわかります。設問は「A地域の特徴について答えなさい。」というものです。

 さて、そこでどう答えたらいいのでしょうか。これは国語の記述式問題を解く時同様の注意をする必要があります。つまり、「設問者が、解答者にどこ(・・)まで(・・)の説明を求めているのか。」ということです。このことから、次の解答例を考えてみましょう。

(例1)「財務省や法務省、文部科学省、労働省などがある。」

 はっきり言って、この答えでは満点は難しいでしょう。なぜなら、以上のようなことは、地図に書かれていることをただ並べて書いているに過ぎないわけで、文を書くこと自体の能力の有無を試そうとするのであれば「国語」のテストで出題されるからです。これはあくまでも「社会」のテストですから社会科的な知識や判断があるかどうかが問われているわけです。すると、解答は次のようなものにならなければいけません。

(例2)「財務省や法務省などの官庁が数多くあり、日本の行政(政治)の中心的な地域となっている。」

 「財務省」とか「法務省」が内閣の下に置かれており、内閣が三権の1つである行政権を持っているという事は、6年生で学習することです。まだ「行政」とか「政治」という言葉の意味をよく知らない低学年の生徒なら(例1)のような答え方でも許されますが、受験生としては足りません。ぜひ「社会科らしい」答案を目指して下さい。

 地図に目を戻すと、B地域に○がつけられています。そこは日本橋付近で日本銀行などが見えます。また、地図の横にB地域の江戸時代の様子を描いた浮世絵が並べて印刷されています。設問は「B地域の江戸時代の特徴を書きなさい。」です。 これに対し、次のような答案が出されました。

(例3)「場所は日本橋で多くの人が行き交い、とても栄えている。」

 これも、先ほどと同じく地図に書かれてある地名と浮世絵に描かれていることを書いているにすぎません。では、何が足りないのでしょう。

 よく国語の学習で「WとHを大切にせよ。」という指示を受けると思います。Wとは「いつ、どこ、誰、何、なぜ」であり、Hとは「どんな、どれくらい、どうやって」のことです。

 まず、(例3)ですが、「人」であることは絵を見ればわかります。まさか、サルや犬と見間違える人はいません。すると、「どんな人」なのか、「何をする人」なのかを書くことを設問は要求しているわけで、ただ単に「人」と書いて済ませては不十分です。絵をよく見るとそれらの人々の中に天秤棒をかついだ人や「呉服屋」などの文字が見え、また武士たちの一行が横切っている姿も見えます。以上のことから、ここが商業の中心地で、多くの商人や買物客でにぎわっていることがわかります。ここまで書ければ立派に「社会科の知識を生かしている」と言えそうです。

 しかし、入試は基本的に競争ですから、より良い答を書きたいものです。そこで、次は「なぜ」のWを使ってみましょう。「なぜここに商家・商人が集まってくるのか」を考えるのです。もし、日本橋という地が東海道などの街道のターミナルポイントになっているという知識があればそれが使えるでしょうし、もし万一なければ自分の日常で考えてみるという手もあります。例えば、「人が多く集まる地」としてよく知られているのが東京の渋谷です。

 

渋谷の特徴は次の2点です。

  • 多くの雑多な店・ビルが立ち並んでいる。
  • JR、私鉄など多くの路線がここを通っている。

 今考えているのは「人が集まってくる理由」です。上の(1)(2)どちらがそれに当てはまるかわかりますか。正解は(2)です。(1)は理由、というよりも、むしろ「人が多く集まって来た結果」というべきでしょう。そこから、人が多く集まるには交通の便の良さが必要なのだということがわかります。(例3)を改良した模範解答は次のようなものになります。

 

(例4)日本橋は江戸時代から交通の要所であり、そのため多くの人々がいろいろな地方から集まってくる場所でもあったので、商業が発達し、経済の中心地となった。

 以上、社会科の記述問を解く時の注意の一部を紹介しました。ぜひとも「6年生らしい」 「受験生らしい」答案を作成するよう心がけて頂きたいと思います。

時事問題

問 (  )にあてはまる語を答えなさい。

 国民の身近な地域にある問題を解決し、サービスを実行していくのを目的として憲法で保障された組織を( 1 )体、もしくは( 2 )団体と言いますが、この団体の行政部の首長である( 3 )の役職にある人たちの何人かが、いわゆる「談合」をサポートしていたということで社会問題となっています。「談合」とは、( 1 )体から( 4 )に関わる仕事の注文を受ける業者同士が結託し、お互いが競争してお互いの利益を損ねることがないようにしていく密約のようなものです。公務員である( 3 )がこの談合をサポートするということは、業者の利益追求の便宜を( 3 )が図ってやるということを意味し、「公務員は( 5 )であって( 6 )ではない」と定めた憲法15条の精神に違反することになります。また、談合という行為自体、競争原理が働かないため、価格が供給者側(売り手)の都合のよい方向に向かってしまうという結果を引きおこすことから、経済の健全なあり方を妨害するものとして、さまざまな法律で禁止、制限されているものでもあります。もし、( 3 )やその補助機関である( 7 )や( 8 )の地位にある人などが業者側から便宜を図った謝礼の意味での金品などを受け取ったとすると、この金品は( 9 )と呼ばれ、渡す側も受け取った側も犯罪を犯すことになります。

(解答)

  1.地方自治(体)     2.地方公共(団体)
  3.都道府県知事      4.公共事業
  5.全体の奉仕者      6.一部の奉仕者
  7.副知事         8.出納長
  9.賄賂(わいろ)

(注)都道府県における首長は「知事」ですが、市町村における首長は「市町村長」、その補助機関は「助役」と「収入役」です。

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