第10回
藤木講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)
2007年度入試が終わり、新しい受験年度がスタートしました。筆者自身の指導の中で、今回は「6年生になって初めて理社の勉強を始めた」生徒さんを2名受け持ちました。1名は、全くの初学者とも言えるA君。もう1名は、一応4、5年時から始めてはいたのですが塾の指導法等に問題があって事実上6年から本格的な知識の獲得に乗り出したB君です。2人とも頑張屋さんでこちらが出すハードな課題によくついて来てくれました。そのため、「四科のまとめ」「メモリーチェック」に出ている程度の力は何とか受験本番までにつけることに間に合いました。この指導経験の感想をいくつか述べたいと思います。
- 受験勉強をしている生徒としていない生徒の学力の差に驚く。6年になるまで受験勉強をしていなかったA君は、全く白紙と言っていい状態からのスタートでした。何しろ47都道府県のうち約半分の県名を知らない、県庁所在地に至ってはゼロ(自分の住んでいる県も含めて)だったのですから。おそらく学校の授業がきちんと行われていなかったか、あるいは行われていたとしてもそれを生徒に覚えさせるためのプロセスが機能していなかったためと考えられます。
- 短期間で知識をつめこむことがいかに難儀であるか。学習スタート当初は調子いいのです。気持ちも新鮮ですし、テキストも真新しい。しかし、これが1課1課回を重ねるごとにつらくなってくる。5、6週間前の内容はいつの間にか忘れているし、かと言って立ち止まっている余裕もないし。しかも当初のモチベーションは落ちてくるし...このときの焦りは相当なストレスとなってかかってきます。結局筆者は次のような方法を取らざるを得なくなりました。夏休みまでは覚える事項を極く基本的なもののみに限定し、同じ間を繰り返し宿題と出す。(具体的には予習シリーズ5年用の各回にある「要点チェック」を週に2〜3回分のペースで進めました。総合回は省略しました。)そして秋ごろ具体的な志望校が決まったら、出題傾向を見て、そこに重点を絞って量を追加していきました。A君の場合、あれこれ手を広げるのは得策ではないと考え、第一志望校の傾向に重点を置いた学習となりました。B君は大変でした。何しろ記述中心の学校と知識中心の学校が志望でしたから。保護者の方とも相談の上、指導は教師の解説が必要とされる記述の方が中心となって、知識は家庭学習に委ねることにしました。
とにかく、主要な算・国の合間をぬっての学習ですので時間に限りがあります。A君、B君はもともとガッツある小学生ですが、その彼らにしてもフーフー言いながら、勉強していた姿が印象的でした。「理・社は追いこみ学習ができる。」とよく言われます。確かにそうですが、この意味を安易に解釈するのは禁物です。よく「今やらなくても、本番直前にできる」と解している人がいますがそうではありません。「一度覚えたが忘れてしまった事項を再チェックするための追いこみができる」と言うのが正確です。本番直前になって慌てないためにも早め早めの学習を心がけて下さい。
時事問題
Q1.今年より、「庁」から「省」へと格上げされる行政組織とは何ですか。また「庁」の時には、この組織はどこに所属していましたか。
Q2.アメリカ合衆国のブッシュ大統領は、イラク情勢の解決のため、新たに2万人の兵力を増加派遣することを決定しました。この決断に対してはアメリカの野党はもちろん与党内からも反対の声が上がり、大統領への国民の信頼も大きく揺らいでいます。これについて、次の問に答えなさい。
- ブッシュ大統領が所属するアメリカの与党とその反対陣営である野党の名称を答えなさい。(大統領や総理大臣の所属する政党を与党と言います。)
- 国民の、政治家に対する信頼度を示す数値を何といいますか。
- 政治に対して国民が賛成や反対を唱えたりすることによって形成される、国民意見を総合したものを何といいますか。
Q3.2007年1月、日本の兵庫県神戸市に、世界のマグロ漁獲を管理する団体が集まり、国際マグロ会議が開かれました。主要な議題は「マグロの濫獲防止と保護」です。特に世界で最もマグロを消費する国である日本への批判が高まりつつある現在、マグロをめぐる論議が活発になってきました。これに関して以下の問に答えなさい。
(1)次の各文の中で誤っているものを選びなさい。
- (ア)マグロは黒潮にいる魚でおもな漁場は南太平洋や南シナ海などである。
- (イ)日本で消費されるマグロのほとんどは、自国の船が獲ったもので、輸入はそれほど多くない。
- (ウ)マグロは一本づりでとることもあるが、多くははえなわ漁法で獲られる。
- (エ)マグロが水あげされる漁港としては焼津港、土佐清水港、三崎港などが有名である。
(2)最近は日本・韓国などの国々にとどまらず、魚をあまり食べることのなかった欧米にもマグロの消費が広がっていると言われます。その理由として考えられることを記述しなさい。
(解答)
Q1.防衛省 内閣府に属していた
Q2.(1)与党=共和党 野党=民主党
(2)支持率 (3)世論
Q3.
(1)イ(2005年度統計では約32万トンのマグロが輸入されている。おもな輸入相手国は韓国、台湾、アメリカ合衆国などである。)
(2)BSE(狂牛病)問題で、肉類を敬遠する人が増えたことと、最近の健康ブームにより、魚食の評価が高まったこと。