第11回
藤木講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)
現在の国際社会では、東西アジアに大きな問題を抱えた地域がそれぞれ一つずつ存在しています。西のイラクと東の朝鮮半島です。イラクではフセイン元大統領の死刑によって事態の収拾を試みたアメリカの思惑とは裏腹に、イスラム教、スンニー派とシーア派の対立が先鋭化し、連日のようにテロ、示威行動が繰り返され、多くの市民に死傷者が出ています。アメリカのブッシュ大統領は更なる兵力を派遣し、問題の解決を図ろうとしていますが、この政策には野党の民主党はおろか与党の共和党の中からも反対の声が上がるなど、その政策を疑問視する風潮が強まっています。
一方、拉致問題等で日本とも密接な関わりのある朝鮮半島はどうでしょうか。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の六ヶ国協議復帰で会談が再開しましたが、日本にとって最も気がかりな拉致問題はほとんど問題視されず、核開発の面で北朝鮮が譲歩する見返りとして電力や食糧などの経済的支援を約束するという内容のものでした。拉致問題の解決が日朝国交正常化の重要な条件であるとすれば、日本にとっては残念なことと言わねばなりません。
目を国内に向けてみると、2007年2月は厚生労働大臣の失言問題が大きく目立ちました。これまでにも教科書問題や、外交問題で過激な発言をしたために辞任に追いこまれた政治家が多くいます。政治家の発言は時として歴史をも動かしてしまうという認識を持ってもらいたいものです。
「憲政史上最大の失言」と言われているのが、昭和2年、若槻礼次郎内閣の大蔵大臣の国会答弁です。国会審議の最中にある銀行の経営危機をうっかり話してしまい、世の中が騒然となってしまいました。預金者が預けた金を取り戻そうと窓口に殺到し銀行は破たん。関連する銀行もドミノ倒しのように次々と休業に追いこまれ、パニックになってしまいました。(金融恐慌)
また、日中戦争開始後、近衛文麿内閣の出した、「中国国民政府と話し合うつもりはない」趣旨の声明は、日本を後戻りのできない戦争の泥沼へと押し進めてしまいました。
ポツダム宣言が米・英・中の名で発表された時、鈴木貫太郎内閣の発表した「受諾するかどうかはまだ言えない」という意味の発言が「サイレント・キル(黙殺する=無視する)」と誤訳されてしまいました。8月10日に正式受諾を発表しましたが、既に2発の原爆が投下された後だったのです。
以上のように、故意であれ過失であれ、政治家の発言には日本国民1億2000万人の命運が託されていることをしっかり自覚してもらいたいものです。
時事問題
Q1.最近、ガス器具の不完全燃焼が原因で死亡した人がいたことが判明するなど、製品メーカーの責任が大きく問われるような事件が相次いでいますが、企業の製造した品物が原因で消費者に損害が発生した場合、企業(製造者)がその責任を負うことを定めた法律があります。この法律名を答えなさい。
Q1.Q2.( )にあてはまる語句を答えなさい。 (1)不祥事により辞任した前知事の後を受け、元タレントのそのまんま東氏が( )県の新知事に当選しました。新知事は着任して間もなく県内の養鶏場で発生した ( )の対応に追われるなど多忙な公務をこなしています。 (2)( )県では、前知事の掲げた「脱ダム宣言」が新任の知事によって撤回され、ダム建設推進の方針が示されました。 (3)厚生労働大臣の失言によって野党議員が欠席するなど、一時混乱をきたしたのは、毎年一月から開かれる( )国会でのことです。この国会では、( )日間の会期中に( )案の審議などが行われます。
解答
Q1 PL法(製造物責任法)
Q2 (1)宮崎、鳥インフルエンザ
(2)長野
(3)通常(国会) 150 予算(案)