2003年入試 国語の全般的な出題傾向と対策
[問題文のジャンル]
・・・ほぼ一定してきました。
もっともよく出題されるのが「物語・小説」と「論説文・説明文」でほぼ同量。「随筆」がそれに次ぎます。比率は順に2:2:1で、この傾向はほぼ定着してきました。
その他は「詩」「短歌・俳句」ですが、出題校はごく一部に限られています。
[対策]
・・・好き嫌いを乗り越える。・・・どうやって?
一般に、男子は「論説文・説明文」を好み、女子は「物語・小説」を好むようです。一方、男子は「物語・小説」、女子は「論説文・説明文」に対してそれぞれ苦手意識をもつ傾向も目立ちます。これは、実際に授業を行ってみると納得できます。好奇心や興味の対象が、やはり男子と女子では異なっているようです。
すると、おおまかに言って、男子は「物語・小説」の克服、女子は「論説文:説明文」の克服が課題となります。
では具体的にどのように克服すればよいのでしょうか。それには次の分析を参考にしてください。
[中学受験に頻出するテーマ]
読解力とは何でしょうか。"文章の内容を正確に理解する力"と言ってしまえばそれまでですが、実はいろいろなものごとに関する「知識」や「経験」の有無が大きな前提になります。
よく「速読法」と称するものが広告などに現れます。しかし、その方面の大家に直接聞いたことですが、全く基礎知識を持たない分野の専門書などは速読できないとのことです。速読可能なものは、すでに知っている分野に限られるわけです。同様のことが入試問題文の読解についても当てはまります。課題文のテーマについて、関心や知識を全く持たない場合は、何度読み返しても十分な理解は得られません。客観式の設問ならば、漠然とした直感的な方法でもなんとか答を記すことはできますが、これが論述問題となるともうお手上げでしょう。
「赤信号は渡ってはならない。」というルールを知らない人に、いくら赤信号を示しても、それは意味不明の記号でしかありません。同様に、「友情の大切さ」を理解しない人に友情の物語を読ませても、無味乾燥で苦痛な作業にしかならないでしょう。
したがって、入試国語の対策としては、頻出するテーマに関する基礎的な理解がどうしても必要になってきます。国語の模試で不本意な成績に終わったとき、課題文のテーマについて振り返ってみましょう。自分がふだん全く関心を持たず、したがってその内容に深くのめり込んでいくことができなかったということはないでしょうか。
では、中学入試頻出のテーマについて簡単にコメントします。
[テーマ1]
・・・「論説文・説明文」では「自然と人間」
昨今、地球温暖化やゴミの問題がよく話題になります。いわゆる「環境問題」です。そしてこれが現代のもっとも深刻な問題の一つであり、また「行き過ぎた現代文明に対する批判」という論点が小学生にもよく理解できるためか、頻出のテーマになっています。
[対策]
・・・どれを読んでも内容はワンパターン。
問題文は、ほとんど例外なく"自然破壊の実例"と、それに対する“筆者の意見”という構成です。そしてその意見は、「人間と自然は対立すべきものではない。人間の身勝手による自然破壊を反省し、自然との共存を考えよう。」といった趣旨の内容がほとんどです。ですから、このような図式をよく頭に入れておけば、問題文の要旨はだいたい誤りなく把握できるはずです。
つづく
2003年入試 算数の全般的な出題傾向と対策
[問題の難易]
難問が少なくなり、基礎学力を問う問題が増えています。しかし、「易しくなったから合格しやすくなった」とは言えません。合格ラインも上昇しており、 7〜8割が一般的になりつつあります。仮に8割以上の正答率が必要になってくると、ケアレス・ミスはほとんど許されなくなります。
[対策]
・・・「早く・正確に」、それには「急がば回れ」
あたりまえのことですが、基礎の徹底以外にありません。学習の第一歩は?「理解」することです。しかし、これをしっかりと?「記憶」しなければ確実な“知識”になりません。さらに?「練習」を積んで応用力を養わなければ実践に役立ちません。以上の3点はどの教科にも共通する原則です。もしもある教科が不得意であるなら、上記3点のどれかが欠けているのです。もう一度勉強の仕方を振り返ってみましょう。 以上の原則論を踏まえて、さらに次の分析を参考にしてください。
[出題分野]
・・・最もよく出題されるのは図形です。しかし・・・
・図形・・・約30パーセント 平面図形が2、立体図形が1の割合です。
・割合と比・・・約10パーセント
・速さ・・・約10パーセント
・計算・・・約10パーセント
・条件整理・・・約10パーセント
・規則性・・・約5パーセント
・場合の数・・・約5パーセント
その他、計算など。
出題分野の主なものは上記の通りです。しかし、ここでもっと掘り下げて分析する必要があります。
「速さ」は「割合と比」の応用分野と考えるべきです。速さの3つの公式は「割合」と全く同じです。また、「速さ」「図形」「特殊算」で、「比」を用いなければ解けない問題がたくさんあります。ですから、「割合と比」が算数の多くの分野で基礎になっているわけです。また、「条件整理」「規則性」「場合の数」を、「高度な思考力を問う問題」として一まとめにすると、20%になります。
[対策]
・・・上記の分析より、算数を支える大きな基礎は、?「計算」 ?「割合と比」と考えることができます。さらに、問題の意味を正確に把握するための補助として、?「線分図」「面積図」も必須です。また、全体的な易化傾向の中で、特に上位校に合格するためには、「条件整理」「規則性」「場合の数」など、「高度な思考力を問う問題」が決め手になります。標準的な問題ではほとんど差がつかないからです。
[算数を支える基礎]
・ 「計算」・・・ほとんどの設問は計算によって答えを導き出すわけですから、「早く・正確に」が絶対条件です。計算ミスによって失点することくらい残念なことはありません。
[対策]
・「複雑な計算問題」・・・入試に出題される計算問題は複雑なものがほとんどですが、まず2桁程度のやさしい計算から十分に練習を積んでいくことが大切です。これは理屈ではなく、運動神経の問題です。算数もある意味“体力”ですね。
・「工夫して解く計算問題」・・・普通の計算の仕方では時間がかかりすぎてしまう問題もあります。このような問題には特別な計算の工夫が必要です。塾のテキストなどにその解法が出ていますので、見落とさないようによく注意し、繰り返し練習を積みましょう。
・「割合と比」・・・単独で出題される場合もありますが、すでに述べたように、「速さ」や「図形」、多くの「特殊算」など、算数の大半の分野に関わっています。
[対策]
割合の基礎は5年生のうちに。そして、「比」に関連した分野(「速さと比」・「図形と比」等)は、遅くとも6年の1学期までに仕上げておかないと、2学期以降の戦いが非常に苦しくなります。単なる四則計算(加減乗除)とは異なって、「割合と比」は、視覚的に把握することが難しくなります。つまり抽象的になってくるわけです。しかも、これが算数全体の大きな基礎になっているので、単なる一分野として扱うわけにはいきません。
この「割合と比」をいかに指導できるかが、教師の力量をはかる大きな物差しになります。
・「線分図」「面積図」・・・文章で表現された様々な設問の意味を、読んだだけで正確なイメージとして思い浮かべることができるなら問題はありません。しかし、人間のイメージ力には限界があります。そこで、誤りなく設問内容を把握するには、どうしても作図の助けを借りなければなりません。
[対策]
技術は模倣から始まります。まず、「和差算」などの基礎的な線分図から順次習得していくのがよいでしょう。最初はテキストの図を描き写します。次に自力でやってみます。このような練習を反復しているうちに、自然に身についていきます。