秘伝!国語入試問題の解き方

第1回 設問をよく読もう

 あの日、というのは、ずっと以前、十年が一昔なら、それを四つ半も重ねた昔のことだ。そのころ、彼は中学三年生、里子はまだ小学校六年生で、町に古くからある「染直」という染物屋の次女であった。(つづく)

[問]

「それを四つ半重ねた昔のこと」という表現に注意して、主人公の、この作品が書かれた時点での年齢を考えてみると、何歳ぐらいになりますか。最も適当なものを、次の中から選びなさい。

ア 45歳ぐらい

イ 55歳ぐらい

ウ 60歳ぐらい

エ 65歳ぐらい

[解説]

 実にやさしい設問です。これなら楽勝・・・と言いたいところですね。ところが、実際に授業で用いてみると、意外に不正解が目立つのです。

 まず、下線部の「それを」に注目します。これは、直前の「十年が一昔」を指します。したがって、「四つ半も重ねた昔」とは、10年の4.5倍で45歳となります。実に簡単な計算ですが、この45歳(ア)をそのまま答えてしまうケースが目立ちます。ここで、もう一度設問をよく検討してみましょう。

  • ●「それを四つ半も重ねた昔のこと」というのは、冒頭の「あの日」のことです。そして「そのころ、彼は中学三年生、里子はまだ小学校六年生」だったわけです。
  • ●「主人公の、この作品が書かれた時点での年齢を考えてみると」に注意します。
  • ●「主人公」は、ここでは「彼」です。
  • ●「この作品が書かれた時点」で「彼」は「中学三年生」ですから、だいたい15歳ぐらいです。
  • ●45年前に「中学三年生」だったのですから、45に15歳を加えて60歳ぐらいとしなければなりません。

 このように見てくると、設問には注意しなければならないことがらがたくさん含まれていることがわかります。試験中は、問題文を読むことだけに注意が向きがちですが、実は設問文を正確に読み、どのようなことが問われているのかをしっかりとつかむことが非常に大切なのです。

設問を正確に読まなかったために、問題文を正しく読み取っていても得点できない場合が非常に多いのですが、これを単なるケアレス・ミスと片付けてはいけません。ここには“国語の入試問題を解くとはどういうことなのか”という最も重要な問題が潜んでいます。それについては後で説明いたします。

[正解]

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